
手続きは、どうすればいいの?
現在は、介護付き有料老人ホームが母体の在宅ケアマネをしています。

介護施設の外出・外泊は可能ですよ!
老人ホームから外出・外泊する際の手続きや注意事項、実際の事例も説明していきますね。
ただし、コロナが流行しているので地域・施設によっては「外出・外泊」の対応をしていない施設もあるので「施設へ事前に確認しましょう」
この記事では
老人ホーム 外出・外泊の手続き
外出・外泊する前に家族が把握すべきこと
利用者の注意事項を守る
付き添いが不安な場合
を書いていきます。
この記事を読めば「老人ホームで外出・外泊について」すべて分かります。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
老人ホーム 外出・外泊の手続き
老人ホームと言われる「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「有料老人ホーム」「グループホーム」など本人の状態が安定していれば外出・外泊は可能です。
外出・外泊の手続き
施設へ連絡または、外出・外泊の手続きを行います
施設で〇日前までに、申請してくださいと規定があるはずなので「施設側に確認しましょう」

理由は、外出するには家族が知らない「細かな準備」が必要になるからです。
なので「今すぐ外泊に連れて行く」というのは、対応できません。
どんな準備があるのか?説明していきますね!
1 利用者の服用している「服薬」の準備が必要
施設の看護師さんが利用者ごとに朝・昼・夕・寝る前など所定の服薬BOXに振り分けて医務などで管理をしているため
介護職の方が、すぐに服薬を用意することが困難なんですよね

2 介護職員さんが利用者の外出・外泊の準備をするため
介護施設の現場は、「本当に時間がタイトなのです」業務中に業務以外で5分でも時間を作ることが難しいのですよ。
ですが介護職員さんもプロなので「外出時間」が事前にわかれば、そのように段取りして業務をしてくれます。
介護職員さんが、外出・外泊で準備すること
・車いす使用者は、空気圧・ブレーキのチェック
・服薬の準備を看護師に依頼する
・当日着ていく服、靴の準備(冬ならマフラーやひざ掛けなど)
・義歯・補聴器・眼鏡の確認
・おむつやパットの準備(施設により異なる)
・バイタル確認
・整容(髭剃り、顔そりなど)
・家族さんに申し送り事項
・施設を出る時間に合わせて「排泄介助」「更衣介助」を済ませておく
3 外出・外泊期間は食事を止める
外出・外泊の期間は、食事を止めます。
もちろん止めている期間の食費は、発生しません。


外出・外泊する前に家族が把握すべきこと
本人の状態を把握する
老人ホームに入所すると、在宅で生活をしていた時と比べて「変化」していることも多いです。
介護職の方に次のポイントは、確認しておくようにしましょう。
確認事項
・食事の形態や普段食べている量・嫌いな食べ物やアレルギーなど
・水分は、トロミ剤が必要か?(トロミの具合はどれぐらいか?)
・移動は、歩行で可能か?車椅子が必要か?
・自宅で泊まるなら、ベッドは必要か?
・最終排便は、いつあったのか?
・介護・看護職さんから見て外出・外泊で注意することを聞きましょう。
外出先・外泊先の環境
外出先・外泊先の環境は、事前に確認しておきましょう!
例えば、家族と食事に行く場合で確認すべき点
例1 レストランで食事
レストランの段差・レストランのトイレ・車いすでも可能か
自宅へ帰る場合の確認すべき点
例2 家に帰る場合
玄関の段差・車いすが必要か・ベッドが必要か
ポイント
・車いすが必要なら、一度施設に借りることができるのか?相談してみましょう
(施設から借りれない場合は、ベッド同様自費レンタルになります)
・介護ベッドが自宅に無い場合は、自費のレンタルベッドを借りることができます
介護ベッド レンタル 自費とは? …在宅ケアマネの方なら事業所や値段もご存知だと思います
*自費のレンタルについては、施設のケアマネに相談してみましょう!
利用者の注意事項を守る
外出・外泊の際に「介護職員から注意事項を必ず確認しましょう」
食事について
せっかくの外出なので、「本人の好きなものを食べさせてあげたい気持ち」はとても分かります
ですが、嚥下状態が悪い(飲み込む力が弱い)のに、無理に固形物を食べさせようとしたりすると「誤嚥性肺炎」や「窒息」などにつながるかもしれないことは理解しておきましょう。
認知症のある方
異食(食べ物でないものを口にする)や徘徊など転倒にも十分注意して「一人にしない」ようにしましょう。
普段と違う環境になると「施設で聞いていた行動と違う行動をする場合」もあります。
外出・外泊先での様子を施設へ帰ったら伝えましょう
外出・外泊の様子を施設へ帰ったら伝えましょう
伝えるポイントの例
・食事・水分量…「水分は1日約1リットル・食事は、ほぼ毎回全量食べていました」などざっくりでいいので伝えましょう
・排便…「昨日に普通の便がバナナ1本分ぐらいありました」など、「いつ」と「排便量」は伝えましょう(腸閉塞を防ぐためです)
・睡眠…「夜10時から朝6時まで、良く寝ていました。」
・様子…自宅で昼間は、孫たちとテレビを見ていました。外出で○○へ行き喜んでいました」など

外泊をしてみて「手に負えない」場合
「外泊して手に負えなかった事例」
ある特養の利用者が、外泊を3日間予定していました(利用者は、施設生活では落ち着いています)
家族が「お正月なので連れて帰りたい」と言われ、連れて帰られました
すると2日目に、家族から連絡がありました。
初日の夜から全く寝ずに、外に出ようとして手が付けられません。
なんとか見ようと思っていたのですが、今から施設へ連れて帰ってもいいですか?
とのことで施設へ連れてきてもらいました。
施設では、落ち着いていたのですが「環境が変わった」からかもしれません。

しかし「環境の変化」で状態が変わる方もいるので、家族さんは無理せず困れば施設へすぐに相談しましょう
付き添いが不安な場合
孫の結婚式に連れていきたい
これは、実際にあった事例です
特養に入居しているAさんの孫が結婚するので「結婚式に参加させたい」という希望がありました
妻も高齢で、こどもも介護に不安なので「Aさんの介護ができる人を手配してほしい」という依頼でした
結論から言うと「自費ヘルパーを利用」しました
特別養護老人ホームの入居者は、「外出・外泊」で介護保険でのヘルパー利用はできません。
そのため同法人内のヘルパー事業所にお願いして「自費ヘルパーを利用」してもらいました。
「参加費や交通費は家族負担となります」
*ちなみに、私がよくお世話になっているヘルパー事業所の「自費ヘルパーの利用料金は、1時間2500円~3500円」が多いですね。
*熟練の介護士は、万一食事中にのどを詰めても冷静に「義歯を外し」「口腔内の残差物を取り除き」「背中をたたく」ことができます。
また、車椅子を押すのに慣れていない場合は、段差で利用者を転倒させる危険もあります。
普段介護をされていない方は、介護職の方に依頼するほうが安全ですよ!
家事代行サービスでは、介護の資格者が登録している場合もありますので検索してみてください。
この記事のまとめ
老人ホーム 外出・外泊の手続き
・事前に施設へ届け出る
外出・外泊する前に家族が把握すべきこと
・施設での普段の様子を確認する
利用者の注意事項を守る
・無理な介護はしない
・食事量や排便量は、確認し施設へ報告する
付き添いが不安な場合
・自費ヘルパーの利用

早くコロナが落ち着けばいいですけどね。
