


この記事では
・新型コロナウイルス感染症の臨時報酬とは
・デイサービスの臨時の介護報酬について
・ケアマネへの案内文 例
・ケアマネ、家族への説明順序
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【臨時特例】デイケアの介護報酬について(現役ケアマネが)解説します!
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目次(クリックするとその項目に飛びます)
【臨時特例】デイサービスの臨時報酬とは
厚生労働省は、令和2年6月1日に「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準の臨時的な取り扱いについて」Vol.842を通知しました。
今回の新型コロナウイルスによって、デイサービスやデイケア、ショートステイでは、介護サービス利用者の減少により収入ダウン、感染症対策による消毒などのコストの増加がありました。
臨時報酬は、それらの介護サービス事業所の収益が大きく減少したことに対する支援が目的でしょう。
デイサービスの臨時の介護報酬について
厚生労働省は、デイサービスの報酬UPの計算方法を2種類で分けて考えるように通知しています。
デイサービスは、おおきく2種類(A群、B群)デイサービスの利用時間で分けます
A群
報酬区分(デイの利用時間) |
2時間~3時間未満 |
3時間~4時間未満 |
4時間~5時間未満 |
B群
報酬区分(デイの利用時間) |
5時間~6時間未満 |
6時間~7時間未満 |
7時間~8時間未満 |
8時間~9時間未満 |


A群の計算方法

A群の算定方法は、1か月のサービス提供回数のうち、月に1回まで、2区分上位の報酬区分を算定可能
通常規模 要介護3の場合 ・現在の報酬区分から臨時的な報酬の単位を月1回算定できるということです。
現在の報酬区分(デイの利用時間) | 臨時的な報酬(2区分上位)月1回 |
2時間~3時間未満(347単位) | 4時間~5時間未満(495単位) |
3時間~4時間未満(472単位) | 5時間~6時間未満(765単位) |
4時間~5時間未満(495単位) | 6時間~7時間未満(784単位) |
例:通常規模のデイサービス(要介護3)
・(2時間~3時間未満)を月4回利用した場合
⇒4回(2時間~3時間未満)利用内の1回を2区分上位(4時間~5時間未満の495単位)で計算する。
1か月の利用単位数を計算してみます
(通常規模・要介護3の場合)
今までの報酬計算
2時間~3時間未満デイサービス月4回利用の場合
374単位×4回(利用回数)=1496単位(1か月の利用単位)
⇓ プラス121単位!
臨時的な報酬計算では
2時間~3時間未満デイサービス月4回利用の場合
495単位(2区分上位を月1回算定)+374単位×3回=1617単位(1か月の利用単位)
*A群の通常規模だと115~385単位上がります!利用時間が長いほど報酬単位も上がります!

B群の計算方法

B群の計算方法は、1か月のデイサービス利用回数の合計を3で割る。
割った数が、4と比べて少ない方の数について2区分上位を報酬として算定する。(端数は、切り上げ)
通常規模 要介護3の場合・現在の報酬区分から臨時的な報酬の単位を月1~4回まで算定できるということです。
現在の報酬区分(デイの利用時間) | 臨時的な報酬(2区分上位)月1~4回まで |
5時間~6時間未満(765単位) | 7時間~8時間未満(887単位) |
6時間~7時間未満(784単位) | 8時間~9時間未満(902単位) |
7時間~8時間未満(887単位) | 延長加算9時間~10時間未満(952単位) |
8時間~9時間未満(902単位) | 延長加算10時間~11時間未満(1002単位) |
例:通常規模のデイサービス(要介護3)
・(6時間~7時間未満)を月13回利用した場合
⇒デイ利用合計13回を3で割ると4.3333
4と比べて少ない数について2区分上位を報酬と算定する(上限は4回までなので)
13回利用内の4回を2区分上位(8時間~9時間未満の902単位)で計算する。
1か月の利用単位数を計算してみます
(通常規模・要介護3の場合)
今までの報酬計算方法
6時間~7時間未満デイサービス月13回利用の場合
784単位×13回(利用回数)=10192単位(1か月の利用単位)
↓ プラス472単位!
臨時的な報酬では
6時間~7時間未満デイサービス月13回利用の場合
(784単位×9回)+(902単位×4回)=10664単位(1か月の利用単位)
A群とB群の報酬区分を組み合わせて利用する場合

1か月の間にA群・B群の報酬区分を組み合わせてサービスを提供する場合
〇サービス提供回数が最も多い報酬区分の2区分上位で算定する
〇B群内の報酬区分が最も多い区分である場合は、サービス提供回数のすべての合計(A群の回数とB群の回数)を3で割る。割った数が、4と比べて少ない数について2区分上位で算定する
〇サービスの利用合計がA群・B群と同じ場合は、長い報酬区分をもとにサービス提供回数のすべての合計(A群の回数とB群の回数)を3で割る。割った数が、4と比べて少ない数について2区分上位で算定する
1か月のサービス提供回数がA群の方が多い場合
例:通常規模のデイサービス(要介護3)
・A群(3時間~4時間未満)が7回
・B群(7時間~8時間未満)が3回
サービス提供回数が最も多いのは、A群(3時間~4時間未満 472単位)なので
⇒月1回(5時間~6時間未満 765単位)で算定する。
1か月のサービス提供回数がB群の方が多い場合
例:通常規模のデイサービス(要介護3)
・A群(3時間~4時間未満)が3回
・B群(7時間~8時間未満)が7回
サービス提供回数が最も多いのは、B群なので
A群(3時間~4時間未満)3回とB群(7時間~8時間未満)7回を足すと 10回
サービス提供回数すべては、10回であり、10回を3で割ると3.3333回
小数点は、切り上げなので4回となります
⇒月4回(延長加算9時間~10時間未満 952単位)で算定する
1か月のサービス提供回数がA群・B群と同じ場合
例:通常規模のデイサービス(要介護3)
・A群(3時間~4時間未満)が5回
・B群(7時間~8時間未満)が5回
A群・B群と同じ場合は、長い報酬区分をもとにサービス提供回数のすべての合計を3で割る。
A群(3時間~4時間未満)5回とB群(7時間~8時間未満)5回を足すと 10回
サービス提供回数すべては、10回であり、10回を3で割ると3.3333回
小数点は、切り上げなので4回となります
⇒月4回(延長加算9時間~10時間未満 952単位)で算定する
同じ群の報酬区分を組み合わせてサービスを提供する場合
1か月に同じ群の報酬区分を組み合わせてサービスを提供する場合
○サービス提供回数が最も多い報酬区分で、2区分上位の報酬区分を算定する
例:通常規模のデイサービス(要介護3)
・A群(3時間~4時間未満)が7回
・A群(4時間~5時間未満)が3回
同じ群の場合、最も提供回数が多いのは(3時間~4時間未満 472単位)なので
⇒月1回(5時間~6時間未満 765単位)で算定する。
こちらが、厚労省の詳しい内容になっています
「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準の臨時的な取り扱いについて」
留意事項
・必ずケアマネと連携をすること
・通所介護計画等と居宅サービス計画におけるサービス提供回数などとの整合性を図ること
・この臨時報酬については、区分支給限度基準額の取り扱いに変更はないこと
*例えば、要介護3なら区分支給限度額(介護保険の上限の点数)は27048単位/月ですが、このままですよ。保険の点数を超えると自費ですよ!と言うことです。
・請求については、居宅介護支援事業所が作成する給付管理票及び居宅サービス事業所が作成する介護給付費明細のそれぞれに反映される必要があること
ケアマネ、家族への案内文 例
ケアマネへの案内文例 デイサービス短時間用

○○デイサービスご利用
ケアマネジャー各位 ○○デイサービス
管理者 ○○
「新型コロナウイルス感染に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取り扱いについて(第12報)」のご協力のお願い
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年6月1日付厚生労働省老健局総務課認知症対策施策推進室、高齢者支援課、振興課及び老人保健課連名事務連絡
「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取り扱いについて(第12報)」(以下、「当臨時措置という」)が発出されました。
当臨時措置につきましては、「コロナウイルスにより、介護事業所の中でも、特にデイサービスは91%の事業所が影響を受けている(全国介護事業者連携アンケート)
という現状を踏まえた、臨時的な措置だと認識しております。当社でも、緊急事態宣言が出された5月は、一時的に休業したり、全体の約半数のご利用者が利用を
控えるなど、厳しい経営環境が続いておりました。6月以降も「雇用調整助成金」等、国からの支援策を活用、経営上の負担が重い家賃については値下げをお願いする
など苦しい経営が続いております。
当臨時措置については、ケアマネジャー様には、給付管理表の変更、ご利用者様には利用金の負担がございます。大変恐縮ではございますが、皆様のご協力が可能な場合に
つきましては、活用させていただければと考えております。
当臨時措置の概要は、具体的なコードや単位については、別紙にてご案内いたします。
まずは、ケアマネジャー様にご連絡差し上げ、ご利用者様への対応方法についてご相談の上、ご利用者様に案内を進めてまいりたいと存じます。
この度は、一方的なお願いになり、大変恐縮ではございますが、何卒ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
留意点(厚生労働省より発出された臨時措置の留意点より)
1 ご利用者様には書面で同意を頂きます
2 給付管理票と介護給付費明細を一致させる必要があるため、6月初回の日を当臨時措置の対象日とさせていただければと存じます。
3 区分支給限度基準額の取り扱いには変更がないため、区分支給限度額基準を超えるとご利用者様の自己負担になります。
その場合は、ご協力のお願いを控えます。
4 当臨時措置の適用開始は6月1日からとなっていますが、終了日は未定のため、確認でき次第ご連絡いたします。
ケアマネへの案内文例 デイサービス長時間でも使用できる
居宅支援事業所様 各位
〇〇デイサービスセンター
管理者〇〇
「新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応を適切に評価する観点から」の介護報酬についてのお願い
拝啓、初夏の候、皆様におかれましては、ますますのご健勝のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
日頃より、当事業所の運営につきましては、ご理解とご協力を賜り深く感謝申し上げます。
さて、厚生労働省より、「新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応を適切に評価する観点から」
新たに介護報酬区分での算定可能となりましたので、介護報酬を算定させていただく方針でございます。
ご利用者様、ご家族様に介護報酬算定の同意が取れ次第ご連絡をさせていただきますので、
大変お手数をおかけしますが、宜しくお願い致します。
敬具
ケアマネ、家族への説明順序

説明の順序
①ケママネにFAXで案内文を送る
②ケアマネに電話で案内文の内容のお願いをする
・利用者さんが「区分支給限度額基準を超えないか」の確認は必要ですよね
③利用者・家族へ案内文・説明・同意を行う
・同意については、サービス提供前の方が望ましいが、給付費請求前までに同意を得られれば良い。
・必ずしも書面(署名捺印)による同意確認を得る必要はなく、保険者の判断により柔軟に取り扱われたいが、説明者の氏名、説明内容、説明し同意を得た日・同意した者の氏名については記録を残しておくこと。
④利用者・家族に同意を得たことをケアマネへ報告する
まとめ
厚生労働省は、令和2年6月1日に「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準の臨時的な取り扱いについて」では、デイサービス、デイケア、ショートステイが対象です。
今回の特例措置の適用開始は6月1日からとなっていますが、終了日は未定!
また、情報が入ればブログでUPしたいと思います。
特例の介護報酬を得るためには、ケアマネ・本人・家族の同意が必要です
