
そのような疑問にお答えします
この記事では
レスパイト入院とは
レスパイト入院の手続き
レスパイト入院の費用
レスパイト入院の事例
この記事の信頼性
この記事を書いている私は、無資格・無経験でデイサービスに勤めました
デイサービスから特養の介護職・居宅のケアマネへと転職も経験しています
在宅のケアマネをしていると家族の介護負担が大きく、レスパイト入院を希望される方もおられます。
レスパイト入院の手続きや費用など、実際にレスパイト入院を利用された方の事例も交えて解説していきます。
レスパイト入院を詳しく知りたい方は、最後まで読んでみてください。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
レスパイト入院 とは
レスパイト入院の意味
まず、レスパイト入院の意味を説明していきますね。
レスパイト入院とは
レスパイトとは、「一時休止」「休息」という意味の言葉です。在宅介護をしている家族を休ませることが目的の入院です
治療目的ではないので、レスパイト入院中に病気になれば治療を行うために、病棟が変わったり、転院することもあります。
レスパイト入院とは別に、もう一つ介護家族の負担を軽減する介護保険のサービスがあります。
それは、ショートステイです
シュートステイとは、介護認定を受けている高齢者が、数日間泊りで施設サービスを受けることができる制度です。
レスパイト入院とショーステイの違い
レスパイト入院とショートステイの違いを説明します
分かりやすい違いは
「医療保険」か「介護保険」か
利用者の状態
それぞれ説明します
「医療保険」か「介護保険」か
レスパイト入院は、「医療保険」になり、ショートステイは「介護保険」になります
それぞれの利用先は
・レスパイト入院は、主に入院できる医療機関になります。
・ショートステイは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど介護施設でサービスを受けます。
ショートステイを利用したい場合は、介護保険の申請をしないと利用できません
ショートステイについて、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
ショートステイとは【ケアマネが解説】費用・利用条件・手続きを
利用者の状態
利用者の状態によって、レスパイト入院かショートステイか利用先を検討します
医療的な処置が必要な利用者の場合、ショートステイ(介護施設)で対応できない場合があるからです
ショートステイ(介護施設)では、対応できない利用者の状態例は
・気管切開
・胃ろう
・インシュリン
・鼻腔
・頻回な吸引
レスパイト入院は、「ショートステイ」では難しい医療行為がある方でも、受け入れられることができるのが特徴です。
レスパイト入院とショートステイの違いを簡単に表にしてみました
レスパイト入院 | ショートステイ | |
保険 | 医療保険 | 介護保険 |
対応可能な医療処置 | ・在宅酸素・ストマ・インシュリン・鼻腔・人工透析・胃ろう・吸引・気管切開・バルン | ・在宅酸素・ストマ・バルン |
レスパイト入院の手続き
レスパイト入院までの流れ


ケアマネは、地域のレスパイト入院を行っている病院を知っているはずです
病院の地域連携室の相談員さんとも顔見知りが多いと思いますので、相談してみましょう!
主治医に相談するのもいいですね!
主治医もレスパイト入院をしている病院は、ご存知なので紹介状を書いてくれたり、病院へ直接連絡をしてくれる先生もおられますよ!
レスパイト入院を申し込んでもすぐに入院できるわけではありません。数日から1~2週間待つ場合もあります。



レスパイト入院の申し込みは、「ケアマネ」か「主治医の先生」に相談してみましょう。
レスパイト入院の費用
レスパイト入院の費用
レスパイト入院の費用です

医療費 | 14日 |
3割負担の場合 | 約14万円 |
2割負担の場合 | 約9万円 |
1割負担の場合 | 約5万円 |
*生活保護の方は、医療費はかかりません。

レスパイト入院 事例

レスパイト入院を利用した①高齢者世帯の事例
レスパイト入院を利用した 高齢者世帯Aさんの事例です
要介護2 男性 Aさんの事例
・高齢者夫婦世帯
・妻は、日中仕事(自営業朝から夜遅くまで)
・中重度の認知症
・週2~3回は家から出ていき帰れなくなる
・デイサービス週3回、ヘルパーは毎日利用
(妻の介護内容)
・食事の準備や洗濯、時には通院の付き添い
ある日、手首の痛みがありベッドから起きれなくなって失禁していた。
妻から自宅での介護が負担だと連絡があり、ケアマネはシュートステイ先を探した。
近隣のショートステイ6カ所に連絡するも部屋の空きが全くない
ケアマネと妻がショートステイの空きもないし、常時付き添いの介護ができないと主治医と相談すると主治医が病院へ連絡してくれ、翌日にレスパイト入院を利用できるようになった。
翌日、レスパイト入院を利用。入院の手続きは、2~3時間かかりました!
医療的な処置がなくても、ショートステイが空いていない場合は、主治医と相談してレスパイト入院を利用する方法もあります
レスパイト入院を利用した②医療処置がある方の事例
レスパイト入院を利用した 医療処置がある方の事例です
要介護5 女性 Bさんの事例
・子と二人暮らし
・子は、日中仕事
・透析週3回利用
・胸部パーマネントカテーテル(透析をするために長期留置するカテーテル)
・訪問看護週3回
(子の介護内容)
・オムツ交換、食事準備、介助
ある日、介護者の娘がぎっくり腰になり、介護が負担でできないとケアマネに相談の連絡がありました。
・近隣の特養3カ所・老健3カ所へ連絡するが、医療度が高いため対応できないとのことで断られる。
・近隣のレスパイト入院できる病院4カ所連絡するが、対応困難とレスパイトのベッドが空いていないとのことで断られる。
・他区の病院が2週間なら対応可能とのことで、翌日入院となる
対応先を探すのに10カ所の病院や施設に連絡し、ようやく見つかって良かったです。
病院に連絡して「医療的に困難で対応できない」と言われるとは、正直思ってもみませんでした。


レスパイト入院を利用しよう
レスパイト入院を利用しましょう
介護の負担が限界に来る前に、レスパイト入院を利用しましょう
介護者が身体的・精神的に負担が大きいと感じているなら非常に危険な状態です
介護者の負担が蓄積されれば
・精神的な負担で「うつ病」になってしまう
・イライラして「虐待」をしてしまう
・体調を崩してしまう
24時間、365日介護している介護者を守るためにも、定期的な「レスパイト入院」を提案します
個人的には、レスパイト入院やショートステイを利用して「介護者にはリフレッシュ旅行に行ってほしい」です
介護者を守ることは、要介護者を守ることに直結します
あなたの親がもし介護しているなら、「休息」をとってもらいましょう
今回は、以上になります